学研全訳古語辞典 |
まし-ま・す 【坐します】
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
いらっしゃる。おいでになる。おありになる。▽「あり」の尊敬語。
出典今昔物語集 一・二
「御身は金(こがね)の色にして、三十二の相まします」
[訳] お体は黄金色で、(仏のみが備えた)三十二のすぐれた特徴がおありになる。
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
〔用言の連用形、助動詞「なり」「す」「さす」の連用形、またそれらに助詞「て」が付いた形に付いて〕…て(で)いらっしゃる。…て(で)おいでである。▽尊敬の意を表す。
出典平家物語 一一・鶏合壇浦合戦
「いかに猛うましますとも」
[訳] どんなに強くていらっしゃっても。
参考
平安時代以後見られるが、特に鎌倉時代に入って盛んに用いられる。平安時代の和文では、同義の「おはします」に比べて語例が少なく、しかもその主語が神・仏であるときに特に用いられる傾向があった。
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