学研全訳古語辞典 |
まうし
《接続》動詞型活用語の未然形に付く。
活用{○/まうく・まうかり/○/まうき/まうけれ/○}
〔打消の希望〕…したくない。…するのはいやだ。
出典源氏物語 桐壺
「この君の御童姿(わらはすがた)、いと変へまうく思(おぼ)せど」
[訳] (帝(みかど)は)この君の童姿(元服前の姿)を、(元服の儀のために)たいそう変えたくはなくお思いになるが。
参考
希望の助動詞「まほし」が「ま欲(ほ)し」と理解されたことから、その対義語を「ま憂(う)し」と考えて用いられるようになった語。
まうし 【申し】
願い出ること。申し願うこと。
出典春栄 謡曲
「若宮の別当の御まうしにより」
[訳] 若宮の別当の御願い出により。
もしもし。▽人に呼びかける語。
出典末広がり 狂言
「まうし、頼うだ人、ござりまするか」
[訳] もしもし、ご主人様はいらっしゃいますか。
参考
[二]が現代語の「もしもし」になった。
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