学研全訳古語辞典 |
たち-かへ・る 【立ち返る・立ち帰る】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
①
寄せては返る。
出典土佐日記 二・三
「風の吹くことやまねば、岸の波たちかへる」
[訳] 風が吹くことがやまないので、岸の波は寄せては返る。
②
戻る。引き返す。昔にかえる。さかのぼる。
出典徒然草 一九
「古(いにし)への事もたちかへり恋しう思ひ出(い)でらるる」
[訳] 昔のこともさかのぼってなつかしく思い出される。
③
繰り返す。
出典更級日記 夫の死
「親のをりよりたちかへりつつ見しあづま路(ぢ)よりは」
[訳] 親の代から何度も繰り返し経験した東国よりは。
④
〔「年たちかへる」の形で〕年が改まる。
出典拾遺集 春
「あらたまの(=枕詞(まくらことば))年たちかへる朝(あした)より」
[訳] 新しく年が改まる元日の朝から。◆②③④の「たち」は接頭語。
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