学研全訳古語辞典 |
一九
⇒十返舎一九(じつぺんしやいつく)
い-つ・く 【射付く】
活用{け/け/く/くる/くれ/けよ}
①
(矢を)射当てる。
出典今昔物語集 二五・六
「いつけずして箭(や)は道に落つべきなり」
[訳] (弱い弓で重い矢を射ると)射当てないで矢は道に落ちるにちがいないのだ。
②
矢で物を射通して、他の物に突きさす。
出典平家物語 九・二度之懸
「弓手(ゆんで)の眼(まなこ)を甲(かぶと)の鉢付(はちつけ)の板にいつけられながら」
[訳] 左の眼を甲の首をおおう一枚目の板に矢で射通し突きさされながら。
いつ・く 【斎く】
いつ・く
【斎く】
活用{か/き/く/く/け/け}
けがれを除き、身を清めて神に仕える。大切に祭る。大切に祭っている。
出典万葉集 四二四一
「春日野(かすがの)にいつく御諸(みもろ)の」
[訳] 春日野に大切に祭っている神社の。
【傅く】
活用{か/き/く/く/け/け}
神に対するように大切に世話をし育てる。かしずく。
出典源氏物語 若紫
「故大納言、内裏(うち)に奉らむと、かしこういつき侍(はべ)りしを」
[訳] 亡き大納言が、(娘を)宮中に差し上げようと、大変大切に世話をし育てましたが。
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