学研全訳古語辞典 |
かう 【交う・買う・替う・換う・代う・飼う】
⇒かふ
かう 【斯う】
①
このように。
出典枕草子 清涼殿の丑寅のすみの
「などかうつたなうはあるぞ」
[訳] なぜこのようにできが悪いのか。
②
〔「かうなり」の形で〕そうそう。そのとおり。
出典大鏡 道長下
「かうなり、かうなり。さらむ折は必ず告げ給(たま)ふべきなり」
[訳] そのとおりだ、そのとおりだ。そういう時には必ずお知らせなさるべきです。
③
もうこれまで。
出典平家物語 一・祇王
「祇王(ぎわう)すでに、今はかうとて出いでけるが」
[訳] 祇王はもはや、今となってはもうこれまでと思って外へ出たが。
④
これこれ。しかじか。
出典平家物語 二・烽火之沙汰
「入道に、かうとも申しも入れず」
[訳] 入道(=平清盛)に、これこれとも申し上げもしないで。◆「かく」のウ音便。
かう 【更】
日没から日の出までを五等分した時間の単位。順に初更・二更・三更・四更・五更と分けるが、季節により日没・日の出の時刻が異なるので、時間は春夏は短く、秋冬は長い。
かう 【講】
①
仏典の内容について講義する集会。また、信者が集まって行う法会(ほうえ)。
②
参詣(さんけい)や寄進などを目的とする信者団体。「伊勢(いせ)かう」。
③
金銭を貯蓄し、融通し合うための組合。
かう 【長官】
官庁の長官。「かん」とも。◆「かみ(長官)」のウ音便。
かう 【香】
①
香料。白檀(びやくだん)・伽羅(きやら)・沈香(じんこう)など天然の香木や、麝香(じやこう)・竜涎(りゆうぜん)など動物性のものがあり、それら各種を練り合わせて好みの香を作る合わせ香も行われる。⇒薫たき物。
②
「香色(かういろ)」の略。赤みを帯びた黄色。
③
織り色の名。縦糸は香色、横糸は白色。老人が着る。
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