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かたの意味

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学研全訳古語辞典

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かた 【形・型・象】

名詞

(物の)姿。形。


出典万葉集 三八二〇


「夕づく日さすや川辺に作る屋のかたをよろしみ」


[訳] 夕日がさしている川辺に建てている家の形がよいので。


絵。


出典枕草子 清涼殿の丑寅のすみの


「北の隔てなる御障子(みさうじ)は、荒海のかた」


[訳] 北の仕切りであるついたて障子には、荒海の絵。


跡。跡形。


出典更級日記 富士川


「八橋(やつはし)は名のみして、橋のかたなくて」


[訳] 八橋は名前だけが残っていて、橋の跡形もなくて。


形式。慣例。


出典源氏物語 末摘花


「えかたのやうにもつづけ給(たま)はねば」


[訳] 形式どおりにも(文章を)お続けになることもできないので。


占いの結果。


出典万葉集 三四八八


「真柴(ましば)にも告(の)らぬ妹(いも)が名かたに出(い)でむかも」


[訳] めったに口に出さない妻の名が占いの結果に出てしまうのかなあ。



かた 【方】

名詞

方。方向。方角。方位。


出典伊勢物語 九


「あづまのかたに住むべき国求めにとて行きけり」


[訳] 東国の方に住むにふさわしい国を探し求めるためにと思って出かけていった。


所。場所。地点。


出典土佐日記 一・一六


「霜だにも置かぬかたぞと言ふなれど」


[訳] 霜さえも降りない場所だと言うようだけれど。


方面。それに関する点。


出典源氏物語 桐壺


「天(あめ)の下助くるかたにて見れば」


[訳] 天下の政治を助けるという面として見ると。


人。方。▽多く貴人を尊敬してさすときに用いる。


出典源氏物語 桐壺


「おのづから、軽きかたにも見えしを」


[訳] (更衣は)自然と軽い身分の人に見えたのだが。


方法。手段。


出典宇治拾遺 一・三


「恐ろしさ、すべきかたなし」


[訳] 恐ろしさは、どうしてよいか方法がない。


時。ころ。


出典源氏物語 葵


「御文(ふみ)ばかりぞ、暮れつかたある」


[訳] お手紙ばかりが、日が暮れるころに届く。


組。仲間。


出典源氏物語 絵合


「左・右と、かた分かたせ給(たま)ふ」


[訳] 左と右とに組をお分けになる。



かた 【潟】

名詞

干潟。遠浅の海岸で、潮の干満で現れたり隠れたりする所。


浦。入り江。



かた- 【片】

接頭語

(一)

〔名詞に付いて〕


片一方の。「かた恋」。[反対語] 真(ま)。


不完全な。整っていない。少しの。「かた生ひ」。[反対語] 真(ま)。


一方に片寄っている。「かた田舎」。


(二)

〔多く動詞に付いて〕ひたすら。「かた待つ」



かた 【肩】

名詞

肩。鳥の翼の付け根の部分や、獣や虫の前脚の付け根のあたりにもいう。


衣服の肩の部分。



語り物

分類文芸


物語に、内容にふさわしい節(ふし)を付けて語るもの。韻文的な「謡(うた)い物(もの)」に対するもので、多くはそれを職業とする人によって語られる。平曲(へいきよく)・幸若(こうわか)・説経節・浄瑠璃(じようるり)などをはじめ、講談浪曲も語り物に含む。



語り部べ

分類文芸


文字がなかった古代、それぞれの氏族・共同体の伝承を語り伝えることを職業としていた者。








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