学研全訳古語辞典 |
きえ-い・る 【消え入る】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
①
消えてなくなる。
出典源氏物語 薄雲
「ともし火などのきえいるやうにて果て給(たま)ひぬれば」
[訳] 灯火などが消えてなくなるように息をお引き取りになったので。
②
正気を失う。放心状態になる。
出典源氏物語 桐壺
「あるかなきかにきえいりつつ物し給ふを」
[訳] 生きているのかいないのかわからないほどに正気を失っていらっしゃるのを。
③
恥ずかしさに身の置き所がない。
出典枕草子 宮の五節いださせ給ふに
「弁のおもとといふに伝へさすれば、きえいりつつ、えも言ひやらねば」
[訳] 弁のおもとという女房に取り次がせると、恥ずかしくて身の置き所がなく何も言えないので。
④
息が絶える。死ぬ。
出典落窪物語 四
「遂(つひ)に七日きえいり給ひぬ」
[訳] とうとう七日目にお亡くなりになった。
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