学研全訳古語辞典 |
ぐ-・す 【具す】
{語幹〈ぐ〉}
①
いっしょに行く。連れ立つ。従う。
出典大和物語 一四四
「この在次君(ざいじぎみ)の、ひと所にぐして知りたりける人」
[訳] この在次君が、同じ場所に連れ立っていて知っていた人が。
②
連れ添う。縁づく。
出典大鏡 師輔
「かの大臣(おとど)にぐし給(たま)ひにければ」
[訳] (その女御(にようご)は、)あの大臣に縁づきなさったので。
③
備わる。そろう。
出典源氏物語 蛍
「人ざま容貌(かたち)など、いとかくしもぐしたらむとは」
[訳] 人柄や顔かたちなど、たいそうこれほどにも備わっていようとは。
活用{せ/し/す/する/すれ/せよ}
①
連れて行く。引き連れる。伴う。
出典平家物語 九・木曾最期
「木曾殿の最後のいくさに、女をぐせられたりけりなんど言はれんことも、しかるべからず」
[訳] 木曾(義仲(よしなか))殿が最後の合戦にまで、女をお連れになっていたなどと言われるのは、残念である。
②
備える。そろえる。添える。
出典竹取物語 ふじの山
「かの奉る不死の薬に、また、壺(つぼ)ぐして」
[訳] あの(かぐや姫から帝(みかど)に)差し上げた不死の薬に、また壺を添えて。
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