学研全訳古語辞典 |
こしら・ふ
活用{へ/へ/ふ/ふる/ふれ/へよ}
(一)
【誘ふ・慰ふ】
①
なだめる。とりなす。慰(なぐさ)める。
出典蜻蛉日記 上
「人の聞かむも、うたてもの狂ほしければ、問ひさして、とかうこしらへてあるに」
[訳] 人が聞くようなのも、いやでとんでもないことなので、問うのを途中でやめて、あれこれとなだめていると。
②
言葉たくみに誘う。とりつくろう。
出典今昔物語集 一一・六
「速やかにかの墓に行きて、こしらへをこつるべきなり」
[訳] 早くあの墓に行って、とりつくろいだまして従わせるべきだ。
(二)
【拵ふ】
①
作り上げる。造り構える。
出典徒然草 五一
「こしらへさせられければ、やすらかに結ひて参らせたりけるが」
[訳] (水車を)造らせなさったところ、たやすく組み立てて差し上げたのだったが。
②
用意する。整える。
出典宇治拾遺 九・三
「馬の草まで、こしらへ持ちて来たり」
[訳] 馬のえさの草まで、用意して持ってきた。
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