学研全訳古語辞典 |
このま・し 【好まし】
活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ}
①
心がひかれる。好きだ。
出典源氏物語 桐壺
「内裏(うち)住みのみこのましうおぼえ給(たま)ふ」
[訳] 宮中暮らしばかりを好きだとお思いになる。◇「このましう」はウ音便。
②
感じがよい。風流だ。
出典枕草子 はづかしきもの
「まして、情けあり、このましう、人に知られなどしたる人」
[訳] まして人情がわかり、感じがよいと人に知られたりしている男性。◇「このましう」はウ音便。
③
好色じみている。浮気だ。
出典堤中納言 ほどほどの懸想
「君の御方に若くて候ふ男、このましきにやあらむ」
[訳] 君(=頭の中将)のお屋敷に年若くてお仕えする男、浮気っぽいたちなのだろうか。◆「このもし」とも。
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