学研全訳古語辞典 |
ざ-・なり
分類連語
①
〔「なり」が推定の意の場合〕…ないようだ。…ないらしい。
出典土佐日記 一二・二三
「この人、国に必ずしも言ひ使ふ者にもあらざなり」
[訳] この人は、国府で必ずしも召し使う者でもないようだ。
②
〔「なり」が伝聞の意の場合〕…ないそうだ。…ないということだ。…ないと聞いている。
出典土佐日記 一・三〇
「海賊は夜(よる)歩きせざなり」
[訳] 海賊は夜の行動はしないそうだ。
なりたち
打消の助動詞「ず」の連体形「ざる」+推定・伝聞の助動詞「なり」からなる「ざるなり」の撥(はつ)音便「ざんなり」の撥音「ん」が表記されない形。
参考
読むときは、「ざんなり」と「ん」を補って読む。
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