学研全訳古語辞典 |
ざり-ける
分類連語
…しなかった。
出典古今集 仮名序
「生きとし生けるもの、いづれか歌を詠まざりける」
[訳] この世に生を受けているものすべて、どれが歌を詠まなかったか、いや詠まないものはなかった。
なりたち
打消の助動詞「ず」の連用形「ざり」+過去の助動詞「けり」の連体形
ざり-ける
分類連語
…であるのだなあ。…であったのだなあ。
出典宇津保物語 嵯峨院
「秋萩(あきはぎ)の下葉に宿る白露も色には出(い)づるものにざりける」
[訳] 秋萩の下葉についている白露でさえも、(時には思いが)外に表れるものであったのだなあ。
語法
断定の助動詞「なり」の連用形「に」に付く。
参考
「ざり」に係助詞「ぞ」が含まれているので、係り結びの法則によって「ける」と連体形になる。
なりたち
係助詞「ぞ」+ラ変動詞「あり」の連用形からなる「ぞあり」が変化した「ざり」+過去の助動詞「けり」の連体形
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