学研全訳古語辞典 |
そば-だ・つ 【峙つ・敧つ・欹つ】
活用{た/ち/つ/つ/て/て}
①
高くそびえ立つ。
出典奥の細道 松島
「そばだつものは天をゆびさし」
[訳] (島々は)高くそびえ立つものは天に向かい。
②
かどが立つ。とげとげしくなる。
出典妹背山 浄瑠
「詞(ことば)にそばだつ親と親」
[訳] 言葉にかどが立つ親と親。◆「そばたつ」とも。
活用{て/て/つ/つる/つれ/てよ}
①
高くそびえ立たせる。
出典平家物語 九・樋口被討罰
「深き所には大船(たいせん)どもをそばだてて」
[訳] (海の)深い所には大船を(帆も)高々とならべ立たせて。
②
斜めに傾ける。
出典宇治拾遺 五・四
「西坂より山へのぼるときは、身をそばだてて歩(あゆ)む」
[訳] 西の方角の坂から山へ登るときは、身体を斜めに傾けて歩く。
③
〔「耳をそばだつ」の形で〕聞き耳を立てる。耳を澄ます。
出典保元物語 中
「耳をそばだて、涙を流す」
[訳] 聞き耳を立て、涙を流す。◆「そばたつ」とも。
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