学研全訳古語辞典 |
そ-と
①
ちょっと。少し。
出典西行桜 謡曲
「はるばるこれまで参りて候ふ。そとおん見せ候へ」
[訳] はるばるここまでやって参りました。ちょっとお見せください。
②
ひそかに。そっと。
出典春栄 謡曲
「高橋殿へそとおん目にかかりたきこと候ひて」
[訳] 高橋様にひそかにお目にかかりたいことがございまして。
そと 【外】
①
外側。外部。外面。室外。戸外。
出典卒都婆小町 謡曲
「極楽の内ならばこそ悪(あ)しからめ、そとはなにかは苦しかるべき」
[訳] 極楽の中でならば悪いだろうが、外ではどうして不都合なことがあろうか。⇒外(と)・(ほか)。
②
仏教以外の教え。特に、儒教。◇仏教を「内(うち)」と呼ぶのに対していう。
参考
「うち」に対する「そと」は中世以降の語。中古までは、多く「と」が用いられた。
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