学研全訳古語辞典 |
おそ・る 【恐る・畏る・懼る】
活用{れ/れ/る/るる/るれ/れよ}
①
恐れる。こわがる。
出典徒然草 九三
「死をおそれざるにはあらず」
[訳] 死を恐れないのではない。
②
心配する。用心する。
出典大鏡 道隆
「常よりも世をおそれさせ給(たま)ひて」
[訳] ふだんよりも身辺を用心しなさって。
③
おそれかしこまる。
出典徒然草 二一七
「君のごとく神のごとくおそれ尊みて」
[訳] 主君のように神のようにおそれかしこまり尊んで。
活用{り/り/る/るる/るれ/りよ}
[一]に同じ。
出典宇治拾遺 一五・一
「あやまたれなんとおそりおぼして」
[訳] 殺されるだろうと恐れお思いになって。
参考
「おそる」と「おびゆ」の違い 「おそる」は、恐れを心に感じる方に重点があり、類語の「おびゆ」は、恐れる気持ちが態度に表れる方に重点がある。
語の歴史
上代は上二段活用。中古も、活用の基本は上二段活用。下二段活用が生じるのは中古初期であるが、中世になるとほぼ下二段活用に統一された。四段活用と見られる例が中古から見えるが、昔の用法をまねた誤った使い方だったらしい。
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