学研全訳古語辞典 |
-そ・む 【初む】
〔動詞の連用形に付いて〕…し始める。初めて…する。「言ひそむ」「聞きそむ」「咲きそむ」「立ちそむ」
そ・む 【染む】
活用{ま/み/む/む/め/め}
①
染まる。しみ込んで色がつく。
出典古今集 雑体
「神無月(かみなづき)しぐれの雨のそめるなりけり」
[訳] (紅葉の色は)陰暦十月のしぐれの雨がしみ込んで染まったのだったなあ。
②
感化される。とらわれてなじむ。執着する。
出典源氏物語 若菜上
「この世にそみたるほどの濁り、深きにやあらむ」
[訳] この俗世間に感化されている間の煩悩(ぼんのう)が深いからだろうか。
③
深く感じる。心に深くしみいる。
出典平家物語 七・願書
「渇仰(かつがう)肝にそむ」
[訳] (八幡大菩薩(はちまんだいぼさつ)の)ありがたさが心に深くしみいる。
活用{め/め/む/むる/むれ/めよ}
①
色を付ける。染める。
出典万葉集 四四二四
「色深く背なが衣(ころも)はそめましを」
[訳] 色も濃くあなたの衣服を染めたらよかったのに。
②
思いこむ。心を傾ける。
出典古今集 恋五
「心こそうたて憎けれそめざらば移ろふことも惜しからましや」
[訳] 心というものはいやに憎いものだ。あの人に心を傾けなかったら、あの人が心変わりすることも惜しいと嘆いただろうか。
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