学研全訳古語辞典 |
ほん 【品】
①
親王に与えられる位。一品(いつぽん)から四品(しほん)まである。位のない場合は無品(むほん)という。
②
位(い)。▽役人の位の中国風の呼び方。
出典平家物語 六・祇園女御
「十八の年、四ほんして」
[訳] 十八の年に四位に上って(=叙せられて)。
③
身分。分際。
出典平家物語 二・西光被斬
「侍(さぶらひ)ほんの者の、受領(じゆりやう)・検非違使(けんびゐし)になること」
[訳] 侍の身分の者が、受領や検非違使になること(は)。
④
編・章に当たる、仏典の一まとまり。◇仏教語。
ほん 【本】
①
書物。書籍。本。(よりどころとなる)原本。原典。
出典枕草子 ありがたきもの
「物語・集など書き写すに、ほんに墨つけぬ」
[訳] 物語や歌集などを書き写すときに原本に墨をつけないこと。
②
模範。手本。
出典源氏物語 若紫
「やがてほんにと思(おぼ)すにや、手習ひ・絵など、さまざまに書きつつ見せ奉り給(たま)ふ」
[訳] そのまま手本にとお思いになるのであろうか、(源氏は)手習いや絵などを、さまざまに書いては、(若紫に)お見せ申し上げなさる。
③
根本。基本。
出典日本永代蔵 浮世・西鶴
「人は正直をほんとすること」
[訳] 人は正直を基本とすること。
④
本当。真実。まこと。
出典曾根崎心中 浄瑠・近松
「たんとぶたれさんしたと聞いたが、ほんか」
[訳] うんとぶたれなさったと聞いたが、本当か。
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