学研全訳古語辞典 |
みるひとも…
分類和歌
「見る人もなき山里の桜花ほかの散りなむのちぞ咲かまし」
出典古今集 春上・伊勢(いせ)
[訳] 見る人とてない山里の桜花よ、ほかの花がみんな散ってしまった後に咲いたらいいのに。
鑑賞
「ほかの」というのは、見る人の多い都の桜のことをいう。都の桜は多くの人に観賞され、もてはやされるが、山里の桜は美しくもひっそりと咲く。そんな山里の桜に対して、あわれみの心をもって呼びかけた歌である。都の桜が散ってしまった後なら、人々も見に来るだろうというのである。
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