学研全訳古語辞典 |
みるほどぞ…
分類和歌
「見る程ぞしばし慰むめぐりあはむ月の都ははるかなれども」
出典源氏物語 須磨
[訳] 月を眺めている間だけは、しばらくの間、心が慰められる。めぐる月のように、恋しい人達にまためぐりあう都は、ここからはるか遠くだけれども。
鑑賞
謹慎中の須磨(すま)で八月十五日の満月を見ながら、源氏が詠んだ歌。月は東から西へ、欠けてはまた満月へとめぐりめぐる。そのように、再び都の恋しい人たちに会いたいと願った歌。さらに、月にある都のように、地上の京も遠いけれど、と悲しみを深めている。
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