学研全訳古語辞典 |
もの-かは
《接続》活用語の連体形に付く。
①
〔反語〕…だろうか、いやそうではない。
出典徒然草 一三七
「花は盛りに、月は隈(くま)なきをのみ見るものかは」
[訳] 桜の花は満開のときに、月はかげりのない満月のときにだけ見るものであろうか、いや、そうではない。
②
〔強い感動〕なんと…ではないか。
出典大鏡 道長上
「同じものを中心(なから)には当たるものかは」
[訳] なんと同じ(当たるという)ものでも、(的の)中心に当たるではないか。
参考
形式名詞「もの」に係助詞「かは」が付いて一語化したもの。
もの-かは
分類連語
取り立てて言うほどではない。ものの数ではない。
出典新古今集 恋三
「待つ宵に更けゆく鐘の声聞けば飽(あ)かぬ別れの鳥はものかは」
[訳] ⇒まつよひに…。
なりたち
形式名詞「もの」+係助詞「かは」
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