学研全訳古語辞典 |
ゆふ 【夕】
夕方。日暮れどき。[反対語] 朝(あさ)。
参考
「朝夕(あさゆふ)」「夕月(ゆふづき)」などのように複合語の中で用いられ、単独で夕方の意を表す場合は「ゆふべ」が用いられる。
ゆふ 【木綿】
こうぞの樹皮をはぎ、その繊維を蒸して水にさらし、細く裂いて糸状にしたもの。神事で、幣帛(へいはく)としてさかきの木などに掛ける。
ゆ・ふ 【結ふ】
{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
①
結ぶ。縛(しば)る。
出典万葉集 三九五〇
「家にしてゆひてし紐(ひも)を解き放(さ)けず」
[訳] 家で結んだ紐を解き放たずに。
②
髪を調え結ぶ。髪を結う。
出典源氏物語 桐壺
「みづらゆひ給(たま)へる面(つら)つき、顔のにほひ、さま変へ給はむこと惜しげなり」
[訳] (少年の髪型である)みずらに髪を結いなさった顔立ち、顔の美しさは、(元服して)童姿をお変えなさることが残念なようである。
③
組み立てる。作り構える。こしらえる。
出典徒然草 五一
「こしらへさせられければ、やすらかにゆひて参らせたりけるが」
[訳] (水車を)造らせなさったところ、たやすく組み立てて差し上げたのだったが。
④
縫う。つくろう。糸などで結び合わせる。
出典枕草子 宮の五節いださせ給ふに
「几帳(きちやう)どものほころびゆひつつ」
[訳] 几帳のぬい残したところをつくろいながら。
参考
「ゆふ」と「むすぶ」の違い 「ゆふ」も「むすぶ」も紐状のものをからみ合わせるという点で同じ意を表すが、本来、「ゆふ」は、ある形に作りなすという面が強く、「むすぶ」は、固定して離れないようにするという面が強いとみられる。
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