学研全訳古語辞典 |
わがこひは…
分類和歌
「わが恋は松をしぐれの染めかねて真葛(まくず)が原に風さわぐなり」
出典新古今集 恋一・慈円(じゑん)
[訳] わたしの恋は、松を時雨(しぐれ)が紅葉させようとしてできないように、あの人の心を動かすことができないで、真葛が原に風が騒いで裏葉を見せるように、恨みに心騒いでいるようだ。
鑑賞
「松」をつれない恋人に、「時雨」を自身の恋の涙にたとえて、あなたのために流す恋の涙も、あなたの心を動かすことはできないという。また、「葛」は風に吹かれると白い裏葉を見せるところから、「うらみ」を暗示する。全体が暗示によって支えられている歌。
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