学研全訳古語辞典 |
ゑ-ふ 【衛府】
①
律令制で、宮中の護衛や行幸の際の警護に当たった役所の総称。はじめ衛門府(えもんふ)・左右の衛士府(えじふ)・左右の兵衛府(ひようえふ)の五衛府であったが、その後変遷を経て、平安時代初期には左右の近衛府(このえふ)・左右の衛門府・左右の兵衛府の六衛府となった。
②
各衛府に所属する武官。
ゑ・ふ 【酔ふ】
活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
①
酔(よ)う。心を奪われる。
出典竹取物語 かぐや姫の昇天
「猛(たけ)く思ひつる宮つこまろも、物にゑひたる心地(ここち)して、うつ伏しに伏せり」
[訳] 勇猛に(戦おうと)思っていた竹取の翁も、何かに酔った気分になって、うつ伏せに伏している。
②
中毒する。
出典今昔物語集 二八・一八
「毒茸(どくたけ)を食へども、つゆゑはぬ人のありけるなりけり」
[訳] 毒きのこを食べても、少しも中毒しない人がいたのであった。
ゑふのページへのリンク |