学研全訳古語辞典 |
いっ-しょ 【一所】
①
一か所。
②
同じ所。
出典平家物語 九・木曾最期
「汝(なんぢ)といっしょで死なんと」
[訳] お前と同じ所で死のうと。
③
お一人。▽「一人」の尊敬語。
出典平家物語 六・入道死去
「ただいっしょこそおもむき給(たま)ひけめ」
[訳] ただお一人で向かいなさったのだろう。
ひと-ところ 【一所】
①
同じ一つの場所。一つ所。
出典平家物語 九・木曾最期
「所々で討たれんよりも、ひとところでこそ討ち死にをもせめ」
[訳] 別々の場所で討たれるよりも、同じ一つの場所で討死をしよう。
②
お一人。おひとかた。▽「一人」の尊敬語。
出典竹取物語 蓬莱の玉の枝
「ただひとところ、深き山へ入(い)り給(たま)ひぬ」
[訳] (くらもちの皇子は)ただお一人で、深い山へお入りになった。◇「ところ」は高貴な人を数えるときの接尾語。
一所のページへのリンク |