学研全訳古語辞典 |
さ・ぐ 【下ぐ】
活用{げ/げ/ぐ/ぐる/ぐれ/げよ}
①
垂らす。つり下げる。
出典平家物語 二・大納言死去
「男は烏帽子(えぼし)もせず、女は髪もさげざりけり」
[訳] 男は烏帽子もかぶらず、女は髪を垂らしていなかった。
②
低い所へ下ろす。高さを下げる。
出典竹取物語 燕の子安貝
「鼎(かなへ)の上より、手取り足取りしてさげ下ろし奉る」
[訳] かなえの上から、手を持ったり足を持ったりして(主人を)下げ下ろし申し上げる。
③
地位・格式や価値などを下げる。見下げる。
出典平家物語 一・祇王
「座敷をさへさげらるる事の心憂さよ」
[訳] 座席までも下げられることのつらいことよ。
④
目上の人などの前から退かせる。
出典源氏物語 帚木
「心地(ここち)悩ましければ、人々さげず」
[訳] 気分が悪いので女房たちを部屋に退かせないで。
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