学研全訳古語辞典 |
くださ-・る 【下さる】
分類連語
①
〔「る」が尊敬の意を表す場合〕お与えになる。▽「与ふ」の尊敬語。
出典平家物語 四・鵼
「主上(しゆしやう)、…師子王といふ御剣(ぎよけん)をくだされけり」
[訳] 主上(=天皇)は、…師子王という剣をお与えになった。
②
〔「る」が受身の意を表す場合〕いただく。▽「もらふ」の謙譲語。
出典平家物語 七・経正都落
「経正(つねまさ)、御硯(すずり)くだされて」
[訳] 経正は、お硯をいただいて。
③
〔動詞の連用形、またはそれに接続助詞「て」の付いた形に付いて補助動詞的に用いて〕くださる。▽その動作が目上の人からの恩恵によってなされる意を表す。
出典止動方角 狂言
「この太郎冠者(たらうくわじや)をも取り立ててくださるるでござらう」
[訳] この太郎冠者をも引き立ててくださるでございましょう。
参考
平安時代末期に現れた表現。室町時代以降は一語の四段動詞にもなる。
なりたち
動詞「くだす」の未然形+受身・尊敬の助動詞「る」
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