学研全訳古語辞典 |
たう・ぶ 【賜ぶ・給ぶ】
活用{ば/び/ぶ/ぶ/べ/べ}
お与えになる。下さる。▽「与ふ」「授く」の尊敬語。
出典古今集 離別・詞書
「上(うへ)の男(をのこ)ども酒たうびけるついでに詠める」
[訳] 殿上人(てんじようびと)らが、天皇が酒を下さった折に詠んだ歌。
活用{ば/び/ぶ/ぶ/べ/べ}
〔動詞の連用形に付いて〕お…になる。▽尊敬の意を表す。
出典大和物語 一五六
「もていまして深き山に捨てたうびてよ」
[訳] (おばさんを)連れていらっしゃって、深い山にお捨てになってしまいなさい。
た・ぶ 【賜ぶ・給ぶ】
活用{ば/び/ぶ/ぶ/べ/べ}
お与えになる。下さる。▽「与ふ」の尊敬語。
出典徒然草 二三一
「切りぬべき人なくは、たべ」
[訳] 切るのにふさわしい人がいないならば、ください。
活用{ば/び/ぶ/ぶ/べ/べ}
〔動詞の連用形、または、それに接続助詞「て」の付いた形に付いて〕お…になる。…なさる。…てくださる。▽尊敬の意を表す。
出典竹取物語 火鼠の皮衣
「もし、金(かね)賜はぬものならば、かの衣の質(しち)返したべ」
[訳] もしお金をくださらないのならば、あの、約束の保証として預けた衣を返してください。
とうぶ 【食ぶ・賜ぶ・給ぶ】
⇒たうぶ
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