学研全訳古語辞典 |
よそ-ながら 【余所ながら】
①
ほかの所にいたままで。遠く離れていながら。
出典大和物語 三一
「よそながら思ひしよりも夏の夜(よ)の見果てぬ夢ぞはかなかりける」
[訳] 遠く離れていながら恋しく思っていたころよりも夏の短い夜の夢のような逢瀬(おうせ)の方がいっそうはかないものだ。
②
それとなく。間接的に。
出典徒然草 一三七
「雪にはおり立ちて跡つけなど、万(よろづ)の物、よそながら見る事なし」
[訳] (田舎者は)雪の上には下りて立って足跡をつけるなど、すべてについて、それとなく見るということがない。
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