学研全訳古語辞典 |
余情
分類文芸
平安時代以降、特に鎌倉・室町時代、和歌で重要視された美的理念の一つ。言葉で直接には表現されないが、言外に感じられる、繊細微妙なしみじみとした情趣のこと。藤原俊成(ふじわらのとしなり)・定家(さだいえ)らによる「幽玄」「妖艶(ようえん)」などの理念の確立とともに、和歌の最高理念にまで高められた。和歌のほかに、連歌(れんが)・能・俳諧(はいかい)などでも重要視された。古くは「よせい」と読む。
よ-せい 【余情】
言外に漂う情趣。余情(よじよう)。余韻。
出典無名抄 歌半臂句事
「姿に花麗(くわれい)極まりぬれば、又自(おのづか)らよせいとなる」
[訳] 歌全体の形に最高の華麗さがそなわると、また自然に余情をかもし出すこととなる。
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