学研全訳古語辞典 |
-か 【処】
場所の意を表す。「住みか」
-こ 【処】
場所の意を表す。「ここ」「そこ」「かしこ」
-と 【所・処】
…する所。…の場所。「隈(くま)と」「臥(ふし)ど」◆「ど」と濁ることが多い。
ところ 【所・処】
①
場所。地点。居場所。居所。
出典更級日記 大納言殿の姫君
「ただ一人ゐたるところに、この猫が向かひゐたれば」
[訳] (私が)一人で座っていた場所に、この猫が(私に)向かい合って座っているので。
②
その土地。その地方。
出典枕草子 五月の御精進のほど
「ところにつけては、かかることをなむ見るべき」
[訳] その土地らしく、こんなものでも見るのがよかろう。
③
その家。その邸(やしき)。
出典枕草子 うらやましげなるもの
「さやうのことは、ところの大人などになりぬれば」
[訳] そういうことは、その邸の年輩の女房などになったなら。
④
(全体の中の)ある部分。箇所。点。
出典枕草子 清涼殿の丑寅のすみの
「ひがおぼえをもし、忘れたるところもあらば」
[訳] (『古今和歌集』の和歌について)記憶違いをしていたり、忘れてしまった部分があるならば。
⑤
〔連体修飾語を受けて〕場所。折。こと。
出典平家物語 一・祇園精舎
「天下の乱れんことを悟らずして、民間の愁(うれ)ふるところを知らざっしかば」
[訳] 国が混乱するであろうことを悟らないで、民衆が悲しみ嘆くことを察しなかったので。◇形式名詞的用法。
-ところ 【所・処】
方(かた)。▽貴人の人数を数える。
出典源氏物語 桐壺
「女御子(をんなみこ)たち二(ふた)ところ」
[訳] 皇女たちお二方。
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