学研全訳古語辞典 |
ひき-こ・む 【引き込む・引き籠む】
活用{ま/み/む/む/め/め}
退いて中に入る。閉じこもる。
出典浮世物語 仮名
「作病(さくびやう)してひきこみければ」
[訳] 仮病を使って(家に)閉じこもったので。
活用{ま/み/む/む/め/め}
①
引いて内に入れる。押し込める。
出典太平記 一四
「大立て挙げの臑当(すねあ)て、脇楯(わいだて)の下へひきこうで」
[訳] ももまである臑当てを胴の脇(わき)の防具の下へ押し込んで。◇「ひきこう」はウ音便。
②
着服する。
③
深くかぶる。
活用{め/め/む/むる/むれ/めよ}
①
内に入れる。しまい込む。
出典源氏物語 若菜下
「御琴ども、すさまじくて、みなひきこめられ」
[訳] お琴なども、興ざめがして、みなしまい込まれ。
②
閉じこめる。束縛する。
出典源氏物語 梅枝
「そこらの警策(きやうざく)の姫君たちひきこめられなむは、世に物の栄えあらじ」
[訳] 多くのすぐれた姫君たちが(家に)閉じこめられてしまうのだったら、まるで引き立たなくなるだろう。
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