学研全訳古語辞典 |
ここ-ち 【心地】
①
気持ち。気分。
出典竹取物語 かぐや姫の昇天
「荒れも戦はで、ここちただ痴(し)れに痴れてまもりあへり」
[訳] (武士たちは)荒々しく戦うこともしないで、気持ちがただもうぼんやりとなって(お互いに)見つめあっていた。
②
心。心構え。考え。
出典枕草子 虫は
「さるここちに道心おこして、つき歩(あり)くらむよ」
[訳] そんな(米つき虫の)心にも仏道を求める心を起こして、頭を下げて歩き回っているのだろうよ。
③
感じ。ようす。気配。
出典源氏物語 帚木
「なよ竹のここちして、さすがに折るべくもあらず」
[訳] しなやかな竹のような感じがして、いくらなんでも折ることができそうもない。
④
病気。気分が悪いこと。
出典落窪物語 三
「中納言忽(たちま)ちに御ここちも止(や)みてめでたし」
[訳] 中納言はたちまちご病気も治り、喜ばしいことだ。
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