学研全訳古語辞典 |
なぐさ・む 【慰む】
活用{ま/み/む/む/め/め}
気が紛れる。心が晴れる。
出典徒然草 二一
「よろづのことは、月見るにこそ、なぐさむものなれ」
[訳] いろいろなことは、月を見ることによって、心が晴れるものだ。
活用{ま/み/む/む/め/め}
気分を晴らす。心を楽しませる。
出典徒然草 一三〇
「人に本意(ほい)なく思はせてわが心をなぐさまん事、徳に背けり」
[訳] 相手にいやな思いをさせて、自分の心を楽しませることは、道徳にそむいている。
活用{め/め/む/むる/むれ/めよ}
①
心を安める。心を晴らす。
出典古今集 仮名序
「猛(たけ)き武士(もののふ)の心をもなぐさむるは」
[訳] 勇猛な武人の心をも安める(ことができる)のは。
②
なだめる。
出典枕草子 すさまじきもの
「稚児(ちご)の乳母(めのと)の、ただあからさまにとて出(い)でぬるほど、とかくなぐさめて」
[訳] 赤ん坊の乳母が、ついちょっとの間といって出ていったあいだ、いろいろとなだめあやして。
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