学研全訳古語辞典 |
あへ-て 【敢へて】
①
進んで。力いっぱいに。▽困難に勝つよう積極的に事をするさま。
出典万葉集 一六七一
「白神の磯(いそ)の浦廻(うらみ)をあへて漕(こ)ぐなり」
[訳] 白神の磯の浦を力いっぱい漕いでいるようだ。
②
〔下に打消の語を伴って〕少しも。まったく。
出典今昔物語集 二八・三八
「底へ降るべき様(やう)もあへてなければ」
[訳] 谷底におりられる方法もまったくないので。◆下二段動詞「あ(敢)ふ」の連用形に接続助詞「て」が付いて一語化したもの。
注意
通常の古文では②の用法が中心。
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