学研全訳古語辞典 |
あへ-・ず 【敢へず】
分類連語
①
堪えられない。こらえきれない。
出典万葉集 三六九九
「置く露霜(つゆじも)にあへずして」
[訳] 露や霜のおりるのに堪えられないで。
②
〔動詞の連用形の下に付いて、「…もあへず」の形で〕
(ア)
…しようとしてできない。最後まで…できない。
出典古今集 秋下
「山川(やまがは)に風のかけたるしがらみは流れもあへぬ紅葉(もみぢ)なりけり」
[訳] ⇒やまがはに…。
(イ)
…し終わらないうちに。…するや否や。
出典平家物語 四・鼬之沙汰
「入道相国(しやうこく)…聞きもあへず」
[訳] 入道相国(=平清盛)は…聞くや否や。◇(イ)は鎌倉時代以降の用法。
注意
①は活用がないが、②は「ず」が活用する。
なりたち
下二段動詞「あ(敢)ふ」の未然形+打消の助動詞「ず」
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