学研全訳古語辞典 |
あへ-な・し 【敢へ無し】
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
①
(今さら)どうしようもない。仕方がない。
出典源氏物語 東屋
「誰(たれ)も誰も、怪しうあへなき事を思ひ騒ぎて」
[訳] だれもかれも、異常でどうしようもないできごとに心の中であわてて。
②
がっかりする。張り合いがない。
出典源氏物語 桐壺
「御使ひも、いとあへなくて、帰り参りぬ」
[訳] お使いも、たいそうがっかりして、宮中に帰って参った。
参考
「何かしようとしてもどうにもならない」が原義。そこから「がっかりする」「張り合いがない」の意味が生まれた。
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