学研全訳古語辞典 |
しぐれ 【時雨】
晩秋から初冬にかけて降ったりやんだりする、冷たい雨。[季語] 冬。
出典猿蓑 俳諧
「幾人(いくたり)かしぐれかけぬく勢田(せた)の橋―丈草」
[訳] 時雨が急に降り出してきた。何人かの旅人が、長い勢田の唐橋(からはし)を急いでかけ抜けて行くことだ。
参考
時雨は、「神無月(かみなづき)(=十月)」の訪れを告げる代表的景物である。降ったりやんだりしながら紅葉を色濃く染めていくので、秋の山の風情を添えるものとして歌に詠まれることが多い。また、袖(そで)をぬらして乾く間のない涙にたとえられる。
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