学研全訳古語辞典 |
にし-おもて 【西面】
①
西の方角。
出典更級日記 足柄山
「わが生ひ出(い)でし国にては、にしおもてに見えし山なり」
[訳] (富士山は)私が成長した国では、西の方角に見えた山である。
②
西向きの部屋。
出典源氏物語 若紫
「ただ、このにしおもてにしも、持仏(ぢぶつ)据ゑ奉りて行ふ、尼なりけり」
[訳] ちょうど、この西向きの部屋に持仏を安置し申し上げてお勤めをする、尼であったのだ。
③
院の御所の西面(にしおもて)に詰めて警護の任に当たる武士。後鳥羽(ごとば)上皇のとき、「北面(ほくめん)の武士」に並ぶものとして設けられた。「西面(さいめん)の武士」とも。
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