学研全訳古語辞典 |
もら・ふ 【貰ふ】
活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
①
与えられて受け取る。また、くれるように頼む。ねだる。
出典平家物語 三・有王
「手をすりひざをかがめて魚(うを)をもらひ」
[訳] 手をすり合わせ、ひざをかがめて魚をねだり。
②
他人から食事の世話を受ける。
出典春雨物語 宮木が塚
「縫ひ針とりて口はもらへど」
[訳] 縫い針を持って(=裁縫仕事をして)食事の世話を受けているが。
③
(嫁・婿(むこ)・養子などを)迎え入れる。
出典世間胸算用 浮世・西鶴
「此方(こち)の娘をもらうてくださるか」
[訳] 私の娘を嫁に迎え入れてくださるか。◇「もらう」はウ音便。
④
(けんか・口論などの)仲裁を引き受ける。
出典八百屋お七 浄瑠
「押し付けがましいやうなれど、万事は我らがもらひます」
[訳] 押しつけがましいようだが、すべては私が仲裁を引き受けます。
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