学研全訳古語辞典 |
いん 【陰】
中国の易学で宇宙の根源とされる二つの気のうちの一つ。受動的・消極的な作用をもつ気。たとえば、月・地・冬・女・北など。[反対語] 陽(やう)。
かげ 【陰・蔭】
①
物陰。陰。
出典伊勢物語 九
「その沢のほとりの木のかげに下りゐて、乾飯(かれいひ)食ひけり」
[訳] その沢のほとりの木のかげに、馬から降りて座って、干し飯を食べた。
②
かばってくれるもの。よりどころ。
出典更級日記 宮仕へ
「我を子としも頼もしからむかげのやうに、思ひ頼み」
[訳] 私を子供として頼りになりそうなよりどころのように思いたのみ。
③
かばってくれる人。おかげ。恩恵。
出典更級日記 夫の死
「帝(みかど)きさきの御かげに隠るべきさまをのみ」
[訳] 帝や后のご恩をこうむるような身となるのだとばかり。
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