学研全訳古語辞典 |
たより 【頼り・便り】
①
よりどころ。
出典伊勢物語 二三
「女、親なく、たよりなくなるままに」
[訳] 女は、親が死に、よりどころがなくなるにつれて。
②
縁故。ゆかり。
出典更級日記 大納言殿の姫君
「さるべきたよりをたづねて、七月七日言ひやる」
[訳] ふさわしそうな縁故を見つけ出し、七月七日に言い送る。
③
具合。配置。
出典徒然草 一〇
「簀(す)の子・透垣(すいがい)のたよりをかしく」
[訳] ぬれ縁や、すき間のある垣根の配置も趣深く。
④
機会。ついで。
出典土佐日記 二・一六
「たよりごとに物も絶えず得させたり」
[訳] 機会のあるたびに、贈り物も絶えず与えてきた。
⑤
知らせ。手紙。
出典源氏物語 若菜上
「語らひつきにける女房のたよりに、御有様なども聞き伝ふるを」
[訳] 語り合って親しくなった女房の知らせで、(女三の宮の)ごようすなども伝え聞くのを。
頼りのページへのリンク |