学研全訳古語辞典 |
たのも・し 【頼もし】
活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ}
①
頼みになる。心強い。あてにできる。
出典枕草子 たのもしきもの
「たのもしきもの。心地あしきころ、伴僧(ばんそう)あまたして修法(ずほふ)したる」
[訳] 頼みになるもの。病気のとき、導師が従僧を大勢連れて祈禱(きとう)している場合。
②
楽しみだ。期待できる。
出典奥の細道 象潟
「雨後の晴色(せいしよく)またたのもしきと、蜑(あま)のとま屋に膝(ひざ)を入れて雨の晴るるを待つ」
[訳] 雨上がりの晴れた空がまた楽しみだと思って、漁師の小屋に立ち寄って、雨の晴れるのを待つ。
③
裕福だ。
出典宇治拾遺 一〇・一〇
「我は若かりし折は、まことにたのもしくてありし身なり」
[訳] 私は若かったときは、とても裕福であった身分である。
頼もしのページへのリンク |