学研全訳古語辞典 |
はつ-か・なり 【僅かなり】
活用{なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ}
①
かすかだ。ほのかだ。
出典古今集 恋一
「春日野(かすがの)の雪間(ゆきま)を分けて生ひ出(い)でくる草のはつかに見えし君はも」
[訳] ⇒かすがののゆきまをわけて…。
②
ほんのわずかだ。ちょっとだ。
出典源氏物語 若菜下
「今宵(こよひ)の遊びは、長くはあらではつかなるほどにと思ひつるを」
[訳] 今晩の管弦の遊びは、長く続けないで、ほんのわずかな時間で(やめよう)と思っていたのに。
参考
類義語「わづかなり」は分量の少なさを意味し別語だが、中世から混同が生じ、「はつかなり」が消滅した。⇒わづかなり
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