学研全訳古語辞典 |
はった-と
①
「はたと①」に同じ。
出典心中天網島 浄瑠・近松
「額際(ひたひぎは)をはったと蹴(け)って」
[訳] 額ぎわをばしっとけって。
②
「はたと②」に同じ。
出典曾根崎心中 浄瑠・近松
「はったとにらむ顔つきは」
[訳] きっとにらむ顔つきは。
③
「はたと
④
」に同じ。
出典入間川 狂言
「定めて上りに渡ったであらうが、はったと忘れた」
[訳] (この川は)きっと上京するときに渡ったのであろうが、すっかり忘れてしまった。④決して。
出典唐糸さうし 御伽
「『はったと、信濃(しなの)へ帰るまじ』と泣きければ」
[訳] 「決して、信濃には帰るまい」と泣くので。
⑤
「はたと⑤」に同じ。
出典富士松 狂言
「爪髪(つめかみ)はったと致いて逞(たくま)しいお馬ではござれども」
[訳] 爪髪がしっかりとしていてたくましいお馬でございますが。◆「はたと」を促音化して強めた語。
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