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 幽玄の意味

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学研全訳古語辞典

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いう-げん 【幽玄】

名詞

奥深い境地。


出典古今集 真名序


「興(きよう)、いうげんに入る」


[訳] 趣は奥深い境地に入る。


優雅な深い味わい。


出典徒然草 一二二


「詩歌に巧みに、糸竹(しちく)に妙(たへ)なるは、いうげんの道」


[訳] 漢詩や和歌を作るのが上手で、管弦にすぐれているのは、優雅な深い味わいの(芸術の)道(であって)。


優雅で柔和でととのった美しさ。▽歌論・連歌(れんが)論・能楽論などの用語。


出典花鏡 幽玄之入堺事


「ただ美しく柔和(にうわ)なる体(てい)、いうげんの本体なり」


[訳] もっぱら美しく柔和なありさまが、幽玄の本質である。⇒幽玄(ゆうげん)


分類文芸



幽玄

分類文芸


主として中世の和歌・連歌(れんが)・能などでの重要な美的理念。言外に漂う奥深い情趣美をいうが、時代や人によって異なる。和歌では、藤原俊成(ふじわらのとしなり)は、美しい気品を備え、しみじみとした情趣が漂う余情美を「幽玄」とし、俊成の子の定家(さだいえ)は幽玄から有心美(うしんび)を、定家の子の為家(ためいえ)は平淡美を、正徹(しようてつ)や連歌の二条良基(よしもと)は妖艶(ようえん)な有心美を唱えた。また、能の世阿弥(ぜあみ)は優美な美しさを「幽玄」とした。「幽玄」は江戸時代の俳諧(はいかい)や茶道の美的理念「さび」につながってゆく。








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