学研全訳古語辞典 |
うまにねて…
分類俳句
「馬に寝て残夢(ざんむ)月遠し茶の煙(けぶり)」
出典野ざらし 俳文・芭蕉(ばせう)
[訳] 夜が明けきらぬうちに宿を出て、馬上でうとうとしながら夢見心地でいたら、ふと目が覚めた。気づくと、遠くの山際には月がかかり、ふもとの里には家々から茶を煮る煙が立ちのぼっていることだ。
鑑賞
歌枕(うたまくら)として有名な「小夜(さや)の中山」(静岡県掛川市にある峠)に至った折の句。杜牧(とぼく)の漢詩「早行(さうかう)」の一節「林下残夢を帯び、葉飛んで時にたちまち驚く。…月暁にして遠山横たふ」をふまえている。季語は「月」で、季は秋。
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