学研全訳古語辞典 |
おそ・し
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
(一)
【遅し】
①
ゆっくりしている。おそい。のろい。遅れている。
出典枕草子 二月つごもり頃に
「げにおそうさへあらむは、いと取りどころなければ」
[訳] なるほど(下手なうえに)遅くまでなったら、たいそう取りえがないので。◇「おそう」はウ音便。
②
〔「おそく+動詞」の形で〕なかなか…しない。
出典大鏡 兼家
「門(かど)をおそく開けければ、たびたび御消息(せうそこ)言ひ入れさせ給(たま)ふに」
[訳] 門をなかなか開けなかったので、何度も来意を告げさせなさったところ。
(二)
【鈍し】(頭の働きが)にぶい。愚かである。
出典源氏物語 蓬生
「さやうのことにも心おそく物し給ふ」
[訳] そのような(趣味の)ことにも判断がにぶくていらっしゃる。[反対語](一)(二)早し。
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