学研全訳古語辞典 |
おほと・る
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
乱れ広がる。
出典万葉集 三八五五
「〓莢(かはらふぢ)に延ひおほとれる屎葛(くそかづら)」
[訳] かわらふじ(=植物の名)にまといついて乱れ広がっているくそかずら(=植物の名)のように。
活用{れ/れ/る/るる/るれ/れよ}
①
[一]に同じ。
出典枕草子 草の花は
「冬の末まで、かしらのいと白く、おほとれたる」
[訳] (すすきは)冬の末まで、穂がたいそう白く、乱れ広がっている。
②
締まりがなくなる。だらける。だらしなくふるまう。
出典源氏物語 東屋
「大路(おほぢ)近き所に、おほとれたる声して」
[訳] 大通りに近い所で、だらけた声を出して。◆「おほどる」「おぼとる」とも。
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