学研全訳古語辞典 |
おほ・し
活用{(く)・から/く・かり/し・かり/き・かる/けれ・かれ/かれ}
(一)
【多し】多い。
出典源氏物語 玉鬘
「田舎人(ゐなかびと)おほく詣(まう)でたりけり」
[訳] 田舎の人が多く参詣(さんけい)していた。
出典源氏物語 桐壺
「憎み給(たま)ふ人々おほかり」
[訳] お憎みになる人々が多い。
(二)
【大し】大きい。
出典万葉集 四四九一
「おほき海の水底(みなそこ)深く思ひつつ」
[訳] 大きい海の水の底のように深く心に思いながら。
語の歴史
(1)上代は(一)(二)の意味とも用いられたが、中古以降は(一)のみが用いられ、(二)の意味には形容動詞「おほきなり」が用いられるようになった。(2)(一)は、中古の和文では、「おほく」のほかは、第二例のように、補助活用の諸活用形を用いた。しかし、中世になると、「おほし(終止形)」の形も一般化するようになった。
おほしのページへのリンク |