学研全訳古語辞典 |
おぼ-め・く
活用{か/き/く/く/け/け}
①
(はっきり判断できず)まごつく。よくわからなくなる。
出典枕草子 故殿の御服のころ
「つゆおぼめかで答(いら)へ給(たま)へりしは」
[訳] 少しもまごつかずにお答えなさったのは。
②
不審に思う。いぶかしがる。
出典源氏物語 若紫
「げに『うちつけなり』とおぼめき給(たま)はむも理(ことわり)なれど」
[訳] なるほど「出し抜けだ」と不審に思いなさるのも道理であるけれど。
③
そらとぼける。よくわからないふりをする。
出典源氏物語 橋姫
「一(ひと)ところしも、あまりおぼめかせ給(たま)ふらむこそ」
[訳] あなたまでもが、あまりにそらとぼけなさるのは。◆「めく」は接尾語。
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